テスト撮影で熱停止
導入編ではGoProが動作するようになるまで苦労しましたが、まだまだ試練は続きます。
適当にデフォルト設定のままビデオモードにして撮影ON/OFFができる動くようになったものの、機能とか、操作とか全くわかりません。まあ習うより慣れろかな?と思い、何か撮影する機会を探していました。
しばらくすると別件で、デスクの上でちょっとした機材の修理をする機会がありましたので、これを撮影することにしました。
小さな三脚をデスクに置いて撮ってもよいのですが、修理対象の機材をいろいろな角度で見る必要があるので、頭につけることにしました。
ヘッドストラップでマウントして、手元の作業を撮影しました。カメラはオデコのところにあるので、撮影中のGoProの状態はよくわかりません。
作業は1時間ぐらいかかったでしょうか。作業が終了して頭からGoProを外し、撮影を停止しようとしたら、GoPro本体が熱ちちー!おや?画面が真っ黒。ん~~?止まってる!なんとー!再び電源を入れて映像データを確認すると、約35分で停止していました。ええ~!?ちなみに画質は4k、25fpsでした。その他の設定はほぼデフォルトだと思います。
不良品?と思って、ぐぐってみると、GoProの熱停止問題について多数の情報が!
特にGoPro製品が新しくなればなるほど、どんどん負荷が上がって、連続撮影時間が短くなっているような、そんな記述もありました。しまったー、何も知らないで最新の10を買ってしもたー。高画質とか求めないので8で充分じゃったー。
熱停止問題への対応策を発見
2021年秋においては、まだ熱停止問題への対応についての情報が少なく、かろうじて地味なYouTubeのチャンネルで、熱停止問題について苦言をタレ、モバイルバッテリーを使えば良いよ、という動画を発見しました。救いの神降臨。ありがとうございます!
YouTubeのGoPro系チャンネルだと、プロっぽい方が案件臭のするハデハデな宣伝をするので、そういったネガティブ情報がほとんど見られないです。せいぜい、新しいバージョンが出て、改善されたポイントがあると、そこで初めて旧機種のネガティブポイントを上げてくるような(それ先に言ってよ!)。まあYouTuberって本質的には広告営業マンですから、業としてしかたないですよね。理解しますよ。YouTubeを業としていない地味なチャンネルにこそ真実と本音があるような気がします。
ま、私の愚痴はそのぐらいにして、具体的な対策としては、
- GoPro本体にはバッテリーを入れないこと
- メディアModを装着、あるいはUSBポート穴付ドアに換装する
- USB Type-CケーブルでモバイルバッテリーからGoProに給電する
というものでした。
モバイルバッテリー
さて、モバイルバッテリーが必要ということですが、モバイルバッテリーはGoPro以外、例えばキャンプ場でスマホを充電するとか、にも使うことから、容量がでかいのを調達しました。
Anker「PowerCore Essential 20000(Amazon)」
引用元:www.amazon.co.jp
実際に届いたものを手に取ると、見た目以上に重いです。しかもサラサラした表面なので、スルッと落としそうなので注意です。落下防止のため付属のメッシュバッグに入れて使うことにしました。
撮影走行中は、ライディングジャケットのポケットに入れ、GoPro本体とUSBケーブルで繋いで給電するつもりなのですが、重いとちょっと気になりますね。
また、この製品は、パススルー充電に対応していないので、モバイルバッテリーからGoProに給電しながら、バイクからモバイルバッテリーを充電することができません。
走行中に充電することを考えると、もう一つ予備のモバイルバッテリーがあったほうがよいと思い、また、もう少し軽量のものも欲しいと思い、上記の半量のモバイルバッテリーを購入しました。
Anker「PowerCore 10000(Amazon)」
引用元:www.amazon.co.jp
届いた製品を手に取ると、比較的扱いやすいサイズと重さで、ライディングジャケットに入れて運用するにはこれがベストと感じました。
もしパススルー充電式のモバイルバッテリーでこのサイズのものがあるなら、そういった製品のほうがよいでしょうね。バイク側からの充電能力も高くしなければならないかもしれませんが。
かくして大小2つのモバイルバッテリーを持っていきました。
給電用USBケーブル
とにかくトライ&エラーで探す
Type-Cのケーブルって、まだ規格が新しいためか、同じType-Cでも中身がいろいろ違っていそうです。当時はUSBケーブルチェッカーを持っていなかったので、その特性を判別することができませんでした。また、当時はGoPro側も、給電要件を明示していなかったと思いますので、とにかくケーブルの相性はトライ&エラーで探るしかないです。
電気的な適合性があること
手持ちの何本かのUSB Type-Cで、モバイルバッテリーとGoPro本体を繋いで電源をONにして起動できるかどうかを確認していきます。
今でもよくわかっていないのですが、Ankerのモバイルバッテリー側の動作特性によるものなのか、大半のケースで一発でReadyになってくれず、数秒おきに何回かON/OFFを繰り返すと、何回目かのトライでReadyになってくれる(「バッテリーが必要です」エラーが出ない)ことがあります。3回やってダメなら実用に耐えないので、そういうケーブルは非対応として整理します。
コネクタが飛び出すぎないこと
またそういった電気的性能だけでなく、Type-C端子の物理的な形状・大きさも必要条件になっています。具体的には、メディアModを装着したGoProをスイベルクリップでヘルメットに取り付け、メディアModのType-CポートにUSBケーブルを挿しても、コネクタがバイザーに干渉しないか、というところもチェックポイントです。
いくつかのType-Cコネクタは、中に電子回路が入っているからか、長い形状のものがあり、そういったタイプは不適格となってしまいます。
ケーブル長は0.5m~1m
上記のような選別をくぐり抜けたUSBケーブルが2~3本特定できましたが、ケーブル長が長すぎるものが多くて、やはり新規に購入することにしました。
GoPro専用USBケーブル
「専用」といっても私が勝手に専用にしているだけですが、GoProに最適なUSBケーブルを探しました。要件は以下の通りです。
- Type-C側のコネクタ形状はU字かL字:
通常のストレートタイプだとやはりバイザーに干渉しがちなのでケーブルに根本が傷みそうなのでストレートタイプは避け、U字かL字で探します。U字はメディアModに挿したコネクタからU字ターンしてケーブルが前に向かって出ていくタイプ。L字は上に向かってケーブルが出るタイプです。L字は下向きにも挿せるのですが、マイク端子と干渉するので外部マイクを使うなら上向きしかできません。
一方でU字だと、Uの幅が狭いとメディアMod本体に干渉してポートに端子が挿さりません。ケーブルは上に出るより前に出るほうが、ケーブルがレンズを遮るリスクが少ないのでU字が第一希望ですが製品次第でしょう。 - 最大許容電流は3A(5V時):
当時USBケーブルで電流をいっぱい流してくれるクラスとしては3Aがメジャーでしたので、3Aあれば大丈夫でしょう。 - 長さは0.5m~1m:
口元のGoProと、ライディングジャケットのポケットに入れたモバイルバッテリーを接続するので、0.5mがちょうどよい感じです。1mだとちょっと長いですがまあなんとかなるレベルです。USBケーブルでは標準的な長さの1.5mとかは長すぎてダメです。
購入したものは以下の2種類。どちらもUGREENの製品ですね。
U字
UGREEN「U字 USB Type Cケーブル3A 1m(Amazon)」
引用元:www.amazon.co.jp
L字
UGREEN「USB Type C ケーブル L字ナイロン編み 3A(0.5m)(Amazon)」
引用元:www.amazon.co.jp
懸念されたU字の幅はメディアModにピタッと張り付く感じでジャストサイズでした。これはラッキー。U字で0.5mという製品があればベストだと思ったのですが、こちらは1mが最短だそうです。どちらも甲乙つけがたいので両方とも持っていきます。
なお、電気的特性については、両方とも3回ぐらいまでにはReadyになってくれるので合格です。
内蔵バッテリー
通常の撮影では外部電源で行くことにしたので、内蔵バッテリーを持っていくかどうか考えましたが、念のため1個だけ持っていくことにしました。
実際にどうだったか?
モバイルバッテリーによる外部電源作戦は成功でした。ツーリングには最適でしょうね。
一日に何時間撮影してもバッテリー交換とは無縁です。もし熱停止問題がなくて、内蔵バッテリーで運用した場合、一日に何度かバッテリー交換が必要となりますが、メディアModをしていると、その都度メディアModを外さないといけなくて超面倒ですが、外部電源であればその面倒とも開放されます。
モバイルバッテリーは大小両方とも使いましたが、やはり小さいほうが軽くて良かったです。小さいほうでも容量的には充分すぎるほどで全く問題ありませんでした。
USBケーブルはどちらも使ってみましたが、甲乙つけがたいです。敢えてどちらか選べと言われたらU字1mを選びます。U字のほうがバイザー周辺のケーブルの収まりがよいのと、若干余り気味のケーブルも、上半身をひねる動きを吸収してくれるので、悪くはないです。0.5mだと、後方確認のため上半身を左に大きくひねると、GoProが引っ張られて、スイベルクリップが傾いたことがあったからです。
ただ、どちらのケーブルを使っても、電源ON一発でReadyになってくれないことが多いのでストレスでした。こればっかりは最後までコツがわからずでした。
内蔵バッテリー
念のため持っていった内蔵バッテリーですが、撮影時ではないのですが、使う場面がありました。それはGoPro本体のソフトウェアアップデートです。GoProのソフトウェアをアップデートするには、外部電源ではダメのようで、Quikアプリでアップデートボタンが有効化されません。
長期ツーリングですから、GoProのソフトウェアのアップデートが公開される確率がかなりあります。古い機種だとあまりないかもしれないですが、GoPro10は当時出たばかりでしたので、バグも多くアップデート頻度は高いでしょう。もちろんアップデートすること自体にリスクはあるので、ツーリング中はアップデートしない、という選択もあるかと思います。私の場合は外部電源を認識してくれないトラブルがストレスだったので、一縷の望みでアップデートしました。ま、結果は変わらずでしたけど。
パススルードア
実はちょっとしたアクセサリーとして、USBポートの穴がついているバッテリーカバーの、パススルードアも購入しました。メディアModを外した状態で、外部電源を供給するときに必要と考えたからです。メディアModを付けると存在感があり、重量も少し増えるので、走行時以外はメディアModを外すと思ったからです。
Ulanzi「G9-3 GoPro バッテリーカバー Type-C充電ポートアダプター(Amazon)」
しかし、メディアModを外すにはGoPro本体のマウントフィンガーをパタパタ折り畳んだり広げたりする必要もあったり、USB端子が固くハマっていることもあって、付け外しが面倒だったので、付けっぱなしでした。
カメラの存在感を薄めて、スッキリと小さいGoPro本体+外部電源で撮影したい場合は、パススルードアが必要だったと思いますし、30分とか短時間撮影であれば、純正バッテリーの登場かもしれません。ということで、自分のユースケースにおいては、ちょっと中途半端なアクセサリーだったようです。
熱停止問題のその後
2021年秋には熱停止問題に対するGoPro側の対応は非常に冷たいものがありましたが、2022年秋の現在はその問題を認めたのか、公式でも利用者側ができる対応策について公表されています。
HERO10 Black:カメラの温度が高すぎます(GoPro)
これによると、熱停止対策=バッテリーの消耗を抑える、ということそのもののようで、ツーリング撮影用途として、自分でできそうな対応としては、
- 解像度・フレームレート:既に解像度はFHD=1080pにしているのでOK。フレームレートは今回のツーリングでは50にしましたが、25fpsでもよいかもです。
- HyperSmooth:今回のツーリングでは「高」にしましたが、悪路を行く訳でもないので「標準」も試してみたいです。
- GPS:OFF。ONにしてもその機能は使わないので。
- ボイスコントロール:OFF。もともとOFFにしていました。交通量のある道路など、騒音のある環境ではほとんど使えなかったので、誤作動を避けるためにもOFFにしていました。
- 外部電源:2A、5.1V以上だそうです!現在も充足していると思うのですが、バッテリー側が下手にインテリジェントだと起動時に2A 5.1Vを出してくれないかもですね。これはAnker以外のバッテリーを試してみないとわからないです。
- SD:充分に高速なSDを使っています。
- リアディスプレイ:スクリーンセイバー(背面)を1分
- フロントディスプレイ:OFF。私もOFFにしてます。自撮り用らしいですね。
- QuikCapture:OFF。起動まで少しガマン?
- Hindsight:OFF。撮りっぱなしなので不要。
- WiFi:OFF?これはアプリと連携して日時合わせに必要だからONかな。
また、念を押すならSDカードのフォーマットもGoPro本体でやったほうがよいかもです。
microSDカードからのファイルの削除方法およびフォーマット方法(GoPro)
今回のツーリング撮影では、最長の尺が1時間40分でした。これは走行を開始して次の休憩までの時間、ということなのですが、これぐらいは連続して撮れて欲しいです。
GoProが公表しているバッテリーの動作時間の目安を元にすると、私の解像度とフレームレートなら、ぎりぎり撮れない可能性がありますが、日中に何度も電池交換したくないので、外部電源作戦は続行します。
バイクから直接給電するというのも考えたのですが、バイクのオルタネーターからのノイズがものすごいありそうなのでやめておきます。
今後改善するとしたら、電源を一発でReadyにする確率を上げたいですね...。