長期ツーリングでは雨は不可避
晴れた日のツーリングは最高ですよね!
ツーリングの楽しみ方には、人それぞれいろいろあると思うのですが、私の場合は、「ツーリングとは良い天気を楽しむこと」が半分以上を占めています。
そうはいっても、長期のツーリングではずっと晴天ということは稀で、ちょいちょい雨が降りますよね。
また気象予報の主な予報地点は平野の都市部だったりしますが、我々ツーリングライダーは峠などの山間部を通ることも多く、予報地点では雨が降らなくても、山間部では降っていることもあります。
2022年と2023年に行った北海道ツーリングにおいては、北海道滞在の合計31日中、日中に一度でも雨が降った日は15日。なんと日程の半分で雨に降られました。
ここまで降るとは思っていなかったです。
夏の北海道ツーリングでは雨対策がいかに重要だということをおわかりいただけたかと思います。
雨に強いライディングシューズ
長期ツーリングでは雨が降ることを前提に装備を用意しなければなりません。
レインウェアの上下は当然として、グローブやシューズ、荷物の防水対策も重要ですね。
私の場合、特にシューズ探しで苦労しまして、現在はこちらをメインに使っております。
フラッグシップ「タクティカルライディングブーツ Black 27(Amazon)」
引用元:www.amazon.co.jp
このライディングシューズは、某バイク用品専門店の店頭で見かけ、自宅でさらに口コミなどを調べて購入したものです。
このシューズは、ライディングシューズとして基本的な、ステップを踏みやすいソール形状、ギアチェンジレバーパッドなどに加えて、雨対策として以下のポイントがあります。
- ハイカット
雨対策においてはローカットは不可。ミドルカットでも長めサイズ以上は必要です。ミドルカットでも低めだと前方から吹き付けられる雨水が入りやすいのでNGとしています。形状的にはいわゆるタクティカルブーツぐらいあるとよいと思っています。 - 袋状のインナー
以前「防水シューズ」として購入した製品で失敗したのは、タンとアウターの切れ目が足首ぐらいのところまでと低く、いくら防水素材で作っても、前方から吹き付けられる雨水がそこから侵入するのでダメだったことです。なるべく履き口に近い上のほうまでタンとアウターが一体化していて、なるべく袋状になっていることです。これを確認するのは、現物を手にして確認するか、レビュー動画で履き口とタンの形状がわかるようなシーンを探すしかありません。 - 長めのアッパー
足の甲のシューレースが始まる部分、つまりタンの前方部分は通気性(ものによっては防水透湿)のあるメッシュ系の素材になっていることが多いため、ここに長時間雨水がかかっているとやはり浸水してきます。そのため、なるべくタンの前方部分はあまり前に露出していないほうがよい、逆に言えばつま先をカバーしているアッパー部分は長いほうが良いということになります。
袋状のインナー
一流メーカーのライディングシューズで「防水」と銘打っていても、履きやすさに振りすぎてか、タンとアウターの切れ目が下過ぎるものが多く、前から吹き付ける雨水がじわじわ入ってくるのです。
例えば多くのライダーさんから人気のあるRSタイチ「DRYMASTER-FIT フープシューズ RSS011(Amazon)」ですが、
引用元:www.amazon.co.jp
製品レビューでも一部の方が指摘されているように、タンとアウターのカットデザインに問題があり、せっかく防水素材で作られていても、すぐに足首から浸水します。
一見ハイカットなので上の方まで袋状になっているかと思いきや、タンの切れ込みが下の方まで来ているので、前方から雨が吹き付けられると、そこから水が入ってくるのです。
作りは良い製品なので残念です。これだと結局ブーツカバーを装着しなければなりません。面倒ですけどね。
まあ雨の中を好んで走るライダーはいませんから、雨ツーリング経験者のコメントが少ないのだと思いますが、長期ツーリングでは雨は避けられませんので、防雨性能が大事です。
極力全天候型のシューズということで探したのが先のFlangshipのライディングタクティカルブーツです。
Flangshipの場合、タンはどうなっているかと申しますと、かなり上まで袋状になっています。
計ってみると床から18cmでした。RSタイチさんだと12cm程度です。その差6cm、比率にして1.5倍!もうこの壁がしっかり作られているかが重要だと思います。
長いアッパー
防雨性能を決めるもう一つの要素は、つま先が如何に覆われているかということです。
履き心地のフィット感を得るため、普通はヒモやワイヤーでレースアップされていますが、このレースアップ部分が先端の方まであると、大抵はその部分は柔らかいメッシュ素材で作られているので、長時間大量の水にさらされると浸水してきます。
したがってつま先を覆う部分の「アッパー」が長いほうが防雨性能としては有利ということになります。
Flangshipタクティカルブーツは充分に防水素材で覆われているので良いと思います。
どうしてもここは足のフィット感や通気性とのトレードオフになるので、私のように防雨性能を重視するひとは、その点を許容するしかありません。
実際に使ってみて
このFlangshipのタクティカルブーツ、実際にこの半年使ってみての感想は以下の通りです。
- かなり完璧に近い
バイクシューズとしての基本機能はもちろん、脱ぎ履きのしやすさ、防雨性能といい、バイクを降りての歩きやすさといい、かなり完璧と言える作りです。
一流メーカーさんもこれのレプリカのような商品を出していただきたいぐらいです。 - 土砂降りでは浸水する
かなり防水性は高く、なかには「完全防水だ!」とおっしゃっている方もいらっしゃいますが、そうはいっても土砂降りの中を15分でも走るとやはり浸水します。確かに普通の雨が降ったり止んだりという天候ならこのブーツで数時間は行けます。実質完全防水に感じると思います。
ただ、私の経験ではシューレース部分やサイドのメッシュ部分にばしゃばしゃと常に水が掛けられているような状況だと15分でもメッシュ素材に浸透して、中まで濡れますね。
普通の雨までなら大丈夫ですが、土砂降りになったら、すぐにバイクを停めてシューズカバーをするようにしようと思います。 - 夏はややムレる
これは防雨性能のためにある程度許容しなければならないと思っています。
防水性と通気性は相反するものです。いくらGORE-TEXなどを始めとする防水透湿素材でも長時間雨に当たると浸水するものです。通常の素材よりは浸水するまでの時間を遅らせてくれる効果は確実にありますけど。
で、本製品は防水性に振ったものですので、メッシュ素材による通気性は一定程度確保されてはいますが、猛暑だと身体からの発汗に対して通気性が及ばず、汗で濡れます。夏は使用後にしっかり乾燥するよう留意しなければなりません。
レインブーツ
あまり荷物を増やしたくないのですが、特に雨キャンプも想定するならレインブーツもあったほうがよいと思っています。
私は昨年2023年のニセコで雨キャンプをしたこともあり、レインブーツの必要性を痛感しました。キャンプ場には通り道が冠水することもありますし、ちょっとした坂道も川のようになっていることもありました。なるべく水を避けるようにしますが限界もあり、雨の中を行動するためのブーツも必要だと思っています。
レインブーツがあれば、走行中の土砂降りでも安心ですし、雨が降る街なかでの行動でも威力を発揮するでしょう。
とりあえず購入したのはこちらです。
これもまた別のバイク用品専門店でみかけ、追加調査の上で購入したものです。
WILDWING「レインブーツ フラミンゴ RIN-001(Amazon)」
引用元:www.amazon.co.jp
これはもう「長靴」です。レースアップがついているので、多少のフィット感を稼ぐこともできますし、シューレース部分もゴム、ファスナー内部もゴムで、履き口の上までゴムの袋になっており、これが本当の「完全防水」です。
まだ実戦投入していませんので、使ってみたらまたこのページにレビューを追記したいと思います。
短期ツーリングだと荷物になりますが、長期のツーリングなら持っていってもその努力が報われる可能性は大だと思います。