折りたたみ傘
長期の旅ですので、折りたたみ傘は必須ですね。私の家には折りたたみ傘しかありません。いわゆる長傘はないです。シンプルライフのためにリストラしました。
管理する持ち物を減らすため、傘はひとり1本にしたいと考えました。となると容易に持ち運びできる「折りたたみ傘」に集約されることになりました。ここで大事なのは、その折りたたみ傘は、一時的な間に合わせのサブ的な傘ではなく、「メインの傘」として活躍できる格の折りたたみ傘でなければなりません。それにはどういった要件があるのでしょうか?
メイン傘としての折りたたみ傘の要件
- 広げた時のサイズはフルサイズ相当の大きさ:
携帯性を重視しすぎた、ちっちゃい折りたたみ傘では「メインの傘」にはなれません。充分に雨を遮る面積が必要です。 - 持ちやすいハンドル:
折りたたみ傘だと持ち手のハンドルが小さすぎて、しっかり支えられないものがあります。携帯性も大事ですが、メインの傘ですから、グリップはある程度しっかり握れる形状でなければなりません。 - 男女とも使えるデザイン:
同じものを2本買えば、夫婦で貸し借りしても使い勝手が変わりません。いかにも「女子!」「オッサン!」という柄やハンドルは避け、ユニセックス的なデザインがよいです。 - 開閉ともに自動:
折りたたまれて、シャフトが短い状態から、手元のボタンを押すと、シャフトが伸びて傘が開き、再びボタンを押すと、開いた傘がパシャっと閉じる(シャフトは短くしない)。 - 頑丈でありつつ軽いこと:
折りたたみ傘は、強風でオチョコになったり、すぐに親骨が曲がってしまいそうなイメージがあるので、しっかりした構造と素材であって欲しいです。
また二律背反ですが、頑丈でありつつなるべく軽いものとしたいです。 - 閉じた傘を、手早くきれいに畳みやすいこと:
傘を閉じて、きれいに畳むのに難儀する傘はダメです。
TOTES(トーツ)A254 TITANIUM
上記の要件を満たしているものとして、現在使用しているのは、TOTES(トーツ)の「A254 TITANIUM 」の明るめのネイビーです。
これまでに、このモデルを色違いも含め3本買って、修理しながら通算10年ほど使っています。
それぞれの要件についてどうなっているか記載します。
- サイズ:
傘の親骨が半径方向で55cmあるので、メイン傘として使えるだけの面積があります。 - 開閉とも自動:
開閉とも自動です。開くときは、ボタンを押すとシャフトが伸びて、親骨が開き、閉じるときは、再びボタンを押すと、親骨が閉じます。
閉じる時にもシャフトが短くなって欲しいように思いますが、閉じる時は傘が濡れていることが多いので、同時に短くすると水滴が自分に向かってくるおそれがあるので、シャフトは短くならなくてよいことに気が付きました。
最初は閉じるときまで自動、要るか?と思いましたが、かなり便利です。
例えば雨の中、車に乗り込むときの動作がスムーズなんです。
まず、傘をさしつつ、開いたドアからシートに座って、傘を下の道路に向け、そのままボタンを押して、傘をパシャリと閉じ、パサパサと回してざっと水を切り、傘を車内に入れ、ドアを閉める。後は社内でゆっくりシャフトを縮め、形を整えて巻き付けて、終わりです。閉じる時に両手を使わなければならない傘だと、シートに座ってしまうと両手で傘を操作できなくなるので、車に乗り込む前に半ば雨に濡れながら傘を閉じ、急いで車に乗り込むと、自分も半濡れ、傘はびしゃびしゃのまま、という光景になりがちです。 - 頑丈でありつつ軽いこと:
このトーツ(TOTES)はアメリカ最大の傘メーカーだそうです。さすがアメリカ。丈夫なものが大好きですね。いくら高性能でも壊れやすいものはNGなお国柄です。
そして、このA254 TITANIUMは親骨にチタンを使用しているらしく、確かにそんな手触りがします。かなり頑丈で、まわりのビニ傘がオチョコになっている状況でも、これまで一度もオチョコになったこともないですし、使い物にならなくなるほど、折れたり曲がったりしていません。とはいえ、経年でだんだん歪みが出てくるには出てきますけどね。こういった調整ができる職人さんがいるようなので、修理をお願いするか考えているところです。
一方、重量は実測328gなので、一般の携帯用の折りたたみ傘としては重いかもしれませんが、これは「メインの傘」ですのでそこは許容範囲かと思います。これを重い!という方がいらっしゃいますが、自動開閉で、ちゃんとしたサイズがあって、頑丈でとなると、これ最軽量クラスだと思うんですけどね。 - 閉じた傘がスムーズにたためる:
折りたたみ傘の使い勝手において一番重要なポイントです。
たいていの折りたたみ傘は、濡れた状態で閉じると、布地が薄くて、もう表か裏かもわからないほど、雨水でお互いくっついてしまい。きれいにたたむことができず、なんかよくわからないまま片手を濡らしながらテキトーにぐるぐる巻き付け、そして細~いストラップを、え~っとどこだ~?とか言ってなんとか探してひっぱりだして、膨らんだ傘の布地をストラップできつ~く巻いて、これまたちっちゃい丸い金具にひっかけたりして、もう使い勝手の悪いことと言ったら!
このトーツは、折りたたみ傘なのに、長傘とほぼ同じぐらいの簡単さで、キレイに畳めるのです。
キレイにたためるトーツ
ここではトーツを簡単にキレイに畳める手順をご紹介します。
閉じるためにボタンを押して、傘の親骨だけがしぼんで、シャフトは長い状態からスタートです。
- 傘の先端の石突が平たくなっているので、ここを手のひらで押さえてシャフトを縮めます。
やってしまいがちなNGな手順は、普通の傘のように傘の内側のシャフトにスライドする部分(下ろくろ)を手前に引っ張ってしまうやり方です。これでは力が必要です。
先端を手で押さえてシャフトを縮めるコツは、手のひらの手首に近いところで押さえること、両脇は閉めることです。身体に近いほうが力が入りますからね。 - シャフトを縮めたら、軽く本体をまわして、ちょいちょいと布地の形状を整えます。このトーツの良いところは、布地が厚めでハリがあって、雨水で濡れても、きちんと畳んだ状態の折り目がキープされているので、この段階でもうキレイに畳める自信アリアリな状態になります。この過程で、トーツお得意の極太ストラップを正しい方向に引き出しておきます。
- 傘の外周部の先端部分を片手でまとめつつ、極太ストラップをピン!と張ってまきつけます。ストラップが極太なので、キレイに巻きつけるための助けになるのです。これが細かったら巻き付けてもストラップの両側が膨らんでしまいます。
- 極太ストラップの先端はベルクロになっているので、最後にビタっと貼り付けて終わり!
この正しい手順でやると、手もあまり濡れずにキレイに畳めるのです。
現行モデルだとTITAN 70(7550)
で、この A254 TITANIUM を激しくオススメしたいのですが、既にモデルチェンジしていて、現行モデルだとこちらが近いかなと思います。
TOTES(トーツ)「TITAN 70 (7550)(Amazon)」
現在チタンは使われていないようで、「タイタン」という名前になっています。この風速31m/sにも耐えるという、新しいアルミ素材には期待できるものがあると思います。
これまで修理した箇所
長年トーツを使っているので、いくら頑丈とはいえ劣化していきます。ここでは自分で修理した箇所についてご紹介します。
グリップがベタベタになった
あまりにも長く使っているものですから、ハンドルの樹脂部分が加水分解してしまい、ベタベタになってしまいました。なんとかして直せないかと調べたところ、「重曹(ホームセンターの台所用品や掃除用品で売っている)を、適当に水で解いて、ウエスに含ませてゴシゴシ拭く」という方法がよいようで、実際にやってみたら、ベタベタが取れてスベスベになってくれました。素晴らしいです。この方法を紹介してくださったのはこちら。いちむら先生ありがとうございます!
この方法は汎用的なので何にでも使えるので覚えておくとよいですね。
ゴム紐ストラップがボロボロになった
ゴム紐のストラップも経年劣化でボロボロになりがちです。4mmのゴム紐を調達すればよいのですが、普通のヘアゴムとかだと柔らかすぎますので、アウトドア用の伸びにくいゴム紐がよいです。
金天馬「アウトドア用ゴムロープ 径約4mm×2.5m 黒 KW12130(Amazon)」
分解・組み立て手順も写真に撮ってはありますが、長くなるので割愛します。なお必要な道具は、プラスドライバー、小さめのマイナスドライバー、プライヤー、ゴム紐を切るハサミです。グリップの中にバネ部品が入っているので分解中に飛ばさないようにするのと、分解過程の状態を写真に撮っておいて、それを見ながら組み立て時に間違えないようにするのがポイントです。
折り畳み傘袋
え?傘袋まで何かあるの?と思うかもしれないのですが、大アリです。この傘袋が折り畳み傘の利便性を最大化すると言ってよいと考えています。
折りたたみ傘についている傘袋って、なんであんなにピチパツなんでしょうかね?あんな窮屈だったら、次に入れるのが大変じゃないですか。しかも、傘本体同様の薄い素材でくにゃくにゃしているので入れにくさ倍増です。もう入れさせない!という勢いかと。
その点TOTESの傘袋は、傘本体の布地にハリがある分マシなのですが、まだまだサイズがタイトです。
結論的には、現在こちらを使っています。
ソロ・ツーリスト「オリガザホルダー OH-14(Amazon)」
傘袋もいくつかトライ&エラーしまして、この商品を東急ハンズでみつけました(妻が)。このルーズなサイズ感がよいのです。袋の口が広いので、スパッと入れて、スパッと抜けるのです。東レの透湿防水素材でできているので、水が漏れてきません。
素材もハリがあるので口が開いたままをキープして入れやすく、出し入れがスムーズです。水切れもよいので、帰宅時に浴室乾燥機とかで干すとすぐに乾いてくれます。時々中がモケモケの吸水素材になっているものを見かけますが、吸水はいいけど、あれって乾きが遅くないかしら?と思ったりもします。
唯一のイマイチポイントは、傘袋のストラップが、ちょっと硬めのホックで留めるタイプになっていて、使いづらいことです。ホックだと閉じるのに両手が必要で、また、ホックを外すと、ストラップがポロっと傘袋から抜けてしまいがちです。私はこれを小型のカラビナに換装しています。
カラビナにしたことで、付け外しが片手でスムーズにできるようになり、雨が降っているような外出時は、これをチャっと、ズボンの左の腰のベルトループに下げてでかけます。傘をさす時は、左腰の袋からさっと出してボタンでぱっと開き、そして、雨の降る屋外から建物の中に入ったときは、さっきの要領でちゃちゃっと傘をたたみ、そのまま左腰に下げた袋にスポっと入れる、という感じで、すこぶるスムーズなんです。この無敵感は、まるでジェダイのライトセイバーのようです笑。
この、傘が自分の傘袋としか往復しない、というのが、常に同一の動作になるのでストレスフリーです。
よく施設の入り口にある、水切りマシンにかけたり、シャラシャラのビニール袋に入れたり、出口ではそのビニール袋が散乱しないように捨てたりとか、施設によって様々なお作法になっていて、それをいちいち理解して合わせなければなりません。
また、傘立てがあるところであれば、あいているところを探して入れ、傘立てのカギがあるところではカギを管理し、隣の臭い傘の匂い(カビ)が伝染ったり、たまに置き忘れたり、稀に盗まれたりと気苦労が耐えません。
そういった面倒ごとから全て開放されるのです。
このルーズサイズでハリのある透湿防水の傘袋、大変オススメです。